緊縛をしていると、攻めの途中であえてて「何もしない時間」を作ることがあります。
縄で身体が動かない状態のまま、太ももやお腹、背中に、ただ手のひらをそっと添えるだけ。
撫でるわけでもなく、責めるわけでもなく、ただ体温を置くように触れているだけの時間。でも、不思議なことにそれだけで相手の身体が反応することがあります。
むしろ、強く触れたときよりも敏感に感じているように見えることすらある。
この時間、僕は相手の呼吸をよく感じています。
吸うタイミング、吐くタイミング。そのリズムに合わせて、手を少しだけ上下させる。
最初は相手の呼吸に合わせているだけ。
でもしばらくすると今度は、こちらのリズムで呼吸を少しずつリードしていく。
そうすると身体の緊張がゆっくりほどけていくのが分かります。ただ触れているだけなのに、その時間が妙に濃く感じられる瞬間。
触れるって、強い刺激を与えることだけじゃない。
何もしないようでいて、実は一番神経を揺らしている時間だったりします。
そし、その静かな時間のあとに、また少しずつ攻めに戻っていく。
この「波」を作るのが、僕はとても好きです。




