僕は高校生の時、フェンシング部でした。
毎日練習して、家に着くのも夜9時近く。
先輩も監督もそこそこ厳しく、今思えばよくやってたなと思います。
1年生の時のとある日曜日。
その日は練習試合で他の高校に遠征に行っていました。
フェンシングは団体戦もあり、選手3人のチームで総当たりして、先に45点取ったら勝ちというルールです。
僕を含めた1年生3人で相手高校に挑みますが、何回戦っても勝てませんでした。
28-45
23-45
20-45
後ろで見ている監督の顔つきが段々と険しくなっていきます。
遠征後のミーティングで監督の前に3人が集められます。
「(かなた)はよく動けてたけど、お前ら2人はダメだったな」
1年生の中で1番下手な僕でしたが、実はこの遠征では絶好調。
チームとしては負けていましたが、僕個人としては、奇跡的に実力以上の結果を出せていました。
そんな訳で、1人(かなた)が褒められて、他2人は怒られている状況なのです。
もうね…
ニヤけが止まらないんですよ。
全体的にはお説教ムードなのですが、褒められた嬉しさでニヤけてニヤけてしょうがない。
必死に止めようとしても表情筋が言う事を聞きません。
笑ってはいけないという状況なのが逆に、僕のニヤけを加速させてしまいます。
周りが怒られているからこそ、自分の褒められがより際立つというか。
もしこれが、全員が褒めらていたらこんなにニヤけなかったでしょう。
全くアスリート向きのメンタリティではなかったですね。




