アイスを眺めてると不思議とメロいと思っちゃう。
ほんのり抹茶の香りがして、
舌の上でゆっくり溶けて広がる甘さ。
触れた瞬間、形を失っていく柔らかさ。
たぶん僕はアイスの “溶けていく感じ” に弱いのかも。
空気の温度で、手の熱で、舌で、自分のためだけにゆるんでいく。
そんな「反応」を感じると、心のどこかがくすぐったくて、
ほんの少しだけ、寂しいような、儚いような気分になる。
でもそんなひと時がすごく甘くて、止まらなくて。。
最初は形がある距離感が、
触れ、触れられるたび、言葉を交えるたび、
ふっと溶けて曖昧に混ざり合って溶けていく。
舐めたアイスが口の中でほどけていくみたいに、
はじめは強張っていたものがひとつずつ消えていく感覚。
気づいた時にはもう一つになってる。
「気持ちいい」もそうだけど、
「安心する」の方が近いかも。
とろけたその目が、その表情がエロい。
でもそれ以上にメロくて、こちらまで溶けてしまいそうになる。
甘くて、切なくて、
終わりが近づくほど愛おしくなるあの感じ。
アイスが溶けて、コーンを伝って流れていくように、
時間は、手のひらからこぼれていく。
だからこそ、ひと口ずつ大切に味わいたい。
あなたが触れたときみたいに、ゆっくりと溶けていくアイス。
僕にメロさを与えてくれる存在、尊い時間。




