哲学的なタイトルで始まりましたが、今日は僕が縛る理由——緊縛を続けている理由について。
ぶっちゃけ、この手の質問は盛りなしで数百回は受けています。人気者はつらいわ…。
これまでは深く考えずに「楽しいから」とか「センスあるから(笑)」と答えていました。けれど先日、友人が制作する同人雑誌のインタビューで真面目に深掘りされ、腑に落ちる答えがようやく言葉になりました。せっかくなのでここにも残しておきます。
結論はシンプル。
「観たことのない世界・景色に、これからも出会いたいから。」
緊縛を始めたきっかけに、実は崇高な理由はありません。
もともと拘束が好きで、“普通に生きていたら触れない世界”としての緊縛に興味があった。やってみたら覚えが早くて、「あ、俺、緊縛の才能あるやん」と自覚して続けた——その程度です。周りにも褒められるし、「縛られてみたい」と言ってくれる女性も増える。続ける理由というより“やめる理由がない”。そんなこんなで続いていきました。
続けていくうち、ありがたいことに先生方や周囲の方から貴重な機会をいただきました。緊縛を始める前には想像もしていなかった場所ばかりです。
初めての緊縛ショーは新宿の小劇場。観客は80人ほど。スポットライト、自分の選んだ音楽、ステージから見たあの景色は今も鮮明です。
先日の「家宝」日記で書いたAV撮影の現場もそう。初の海外ショーだった台湾のナイトマーケットの雑踏も、そしてスウェーデンで——目の前で数十人の海外の方が、僕の教えた縄筋を一生懸命に練習していた光景も。どれも、きっと死ぬまで忘れない。
そして今、僕は女性向け風俗の世界にいます。これも緊縛をしていなければ辿り着かなかった場所です。
だから僕は、いまもずっと期待しています。「人を縛る」その先に、どんな“まだ見ぬ”世界や景色が広がっているのか。
——これが、僕が縛る理由です。