妄想の中で、僕はその光景をただ見つめている。
しなやかに伸びたものが、体にまとわりつき、ねっとりと絡みついていく。
タコの足のようにくねくねと這い回り、肌をなぞるたびに、そこから甘い震えが広がっていく。
抵抗しようとする意志さえ、徐々に溶かされていく。
冷たさと温かさが交互に押し寄せ、苦しさと快感の境界が曖昧になっていく。
吐息が漏れ、閉じた瞼の奥に火花のような光が弾ける。
それを見ている僕自身もまた、理性を試されているようで、逃げられない。
妄想だとわかっていながら、あまりに生々しく、あまりに艶めかしい。
絡みつく動きは、意識の奥まで侵食し、快楽の深みに引きずり込んでいく。
その危うさに溺れそうになりながらも、僕は目を逸らせない。
これは夢か、それとも欲望の写し絵か。
気づけば、妄想の中に囚われたのは、見ているはずの僕自身だった。