セラピストの日記｜草生｜小さな不買運動東京店

昔、あるお菓子メーカーの不買運動を個人的にやっていたことがある。

もともと僕はそのお菓子メーカー大好き人間だった。

おかんがカントリーマアムを買ってきてくれたらそれだけで生きる喜びを感じていたし、兄貴がカントリーマアムのバニラばかり食おうもんなら憤慨していた。

今ではココアの方が好き。

なんで子供の頃ってバニラ大好きなんだろうね。

そんなわけで就活の時にそのお菓子メーカーの説明会に参加した。

その会社のマスコットキャラといえばもちろん、ベロを出してるあの女の子だ。

説明会に来る社員の方もちょっとほっぺがふっくらしてて、説明で噛んだりしたら舌をぺろっと出して「てへっ⭐︎」ってするような人も来るんかな〜と思ってたら、角刈りのおじさんが来た。

説明の途中で「君たちはまだ全然社会のこともわかってないからねえ」と言われた。

ミルキーみたいに甘くないのだ。

その後の質問会でも態度の悪い座り方とタメ口で、勇気を出して質問した就活生に対しても感じが悪かった。

ホームパイのように、僕らの心はひび割れていった。

その人事のおじさんのあまりの人柄の悪さに、ぼくはそのお菓子メーカーに対してもなんだかとても嫌な気持ちになってしまい、勝手に不買運動を始めた。

たまに外で見かける人権運動とかに比べたらちっぽけな活動だったけど、僕にとっては初めての抗議運動だったのだ。

カントリーマアムを食べれないあの苦しさは、きっと忘れることはないだろう。

「あのおじさんだけだしな」と思い直し、今では普通に食い散らかしております。

誰か一人に悪いイメージを持ってしまうと、その組織全体が悪く見えてしまうと初めて知った。

我々も個人戦ではあるものの、大なり小なり組織の看板も背負っている。

気をつけていきたいもんですし、気をつけたいと思えるようでありたいものです。

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