キャシーと天丼

こんばんは、そうきです☺️

 

 

僕は大学生の時に和楽器サークルに所属していた。

サークルだけど先生やコーチがいて、週2,3日教えてもらっていた。

 

 

大学1年生の頃、練習後に先生が部員を天ぷら屋さんに連れて行ってくれた。

先生御用達のお店で、おいしいらしい。

でも予約なしで大量に押しかけたため、お店も困惑していた。

僕らは大きな部屋がある2階に案内をされた。

 

 

これだけの人数だったため、頼めるものは天丼のみと言われ、全員天丼を注文した。

練習終わりだったので夜も21時頃。

食べ盛りの僕らは空腹もピークで、今か今かと天丼を待っていた。

 

 

そして入店してから20分ぐらいだろうか。

天丼が少しずつ運ばれてきた。

まだ人数分はないため、先輩と留学生が優先。

うちのサークルは和楽器という伝統楽器を扱っていることもあり、多くの留学生が所属していた。

僕が座っていた目の前には中国系アメリカ人留学生のキャシーという女性がいた。

 

 

留学生優先なので僕より先にキャシーに天丼が配膳された。

空腹がピークの僕の前で食べ始めるキャシー。

なかなかに拷問である。

「姫様 拷問の時間です」という姫様の目の前でおいしそうなものを食べて、それを食べたければ秘密を喋らなくてはいけない拷問漫画があるけども、屈する姫様の気持ちがよくわかる。

 

 

少し食べ進めたキャシーは「私おなかいっぱい。草生さん、食べますか?」と聞いてきた。

待てをされてる犬のように食べたそうにしてたのがダダ漏れだったのかも。それにキャシーと間接キスやん!!とか童貞丸出しなことなどをいろいろと考えた結果、「いただきます」と即答した。

男子大学生は空腹には勝てないのである。

 

 

ありがて〜〜!!と思い、たくさんのお米と天ぷらをガッと口に入れた。

 

「まず!!」

 

びっくりするぐらいまずかった。

空腹という最高のスパイスをもってしてもまずかった。

キャシー、絶対まずかったからくれたよな?

さっきまで女神に見えたキャシーが、「羊たちの沈黙」のレクター博士ぐらい悪魔に見えた。

 

「すみませ〜ん、お待たせしました。。」

そして目の前に運ばれてきた。もう一つの天丼が…

 

 

食べ終わった帰り、「先生はなんでここ御用達にしてんねん…ベロの偏差値5か?あの舌であれこれ偉そうなこと言うの腹が立ってくるな…」とか、「急だったから仕込みとかも全然できてなくて、いつもは違うんだろうな」とかいろいろ思った。

 

 

いつかもう一度行ってみようと思っていたけども、その夢は叶うことなくお店は閉店してしまった。

行ける時に行っておかないとな。

あの時がたまたまおいしくなかったのか、先生のベロの偏差値が5だったのか。

真相は闇の中である。

 

 

と、お昼に天丼を食べていて、思い出しましたとさ。

 

 

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