女性器コンプレックス

「アソコ、元カレに引っ張られたの?」

 

付き合い始めて3ヶ月の彼氏に、そう聞かれた20代中盤の女性。 

 

彼女の小陰唇のヒダは普通よりも大きいが、異常なものではなかった。

 

しかし、彼氏にそう言われたことに愕然として、以来落ち込んでしまった。

 

このエピソードは、喜田直江『女性器コンプレックス 愛する人と交われない女たちの苦悩』

 

に登場するものです。

 

著者は、「婦人科形成医」として女性器コンプレックスを抱える多くの女性達の悩みに接し、

 

その克服に尽力している医者です。

 

「女性器コンプレックス」とは、黒ずみや臭い、膣の緩み、小陰唇のヒダの大きさ、大陰唇のたるみなどの

 

性器の色や形の悩み、クリトリス包茎による不感症の悩み、処女膜の突っ張りによるセックス時の激しい痛み、

 

更年期前後のセックスによる膣の痛みなど、自分の性器になんらかのコンプレックスを持っていることを指します。

 

著者曰く、女性器コンプレックスの多くは、他人には理解されにくく、また、デリケートな問題のため他人に相談しにくい

 

悩みでもあります。そのため、一人で抱え込むケースが多く、結果、その悩みが深くなってしまう人もいる。

 

さらに、それは、人生にも大きな影響を及ぼすような深刻な悩みになりやすいというのも特徴だそうです。

 

他人に見られるのが怖く、温泉や大浴場に入れない、婦人科系のがん検診を受けられないなどの生活上の困難。

 

理想的な人に巡り会えても肉体関係に踏み込めず交際を断念せざるを得ず、結婚・子育てという幸せを諦めてしまう人などなど。

 

この本では、女性器コンプレックスの現状、女性器コンプレックスに陥った原因とその経験談、女性器コンプレックスの医療的な克服、

 

女性器コンプレックスを克服して輝く女性の人生などについて、婦人科形成医としての著者の経験を基に説明されています。

 

女性器コンプレックスは、女性に親身に寄り添うというケア的な側面とクリトリスの手術などの技術的な側面によって解決されます。

 

そのため、著者は、形成外科や美容クリニックでの勤務などを経て、「産婦人科形成医」というキャリアをスタートさせました。

 

 

この本の中で印象に残ったエピソードとして、次のようなものがあります。

 

ヒダの大きさを気にする女性が大学生の頃に彼氏に話を切り出してみたところ、

 

「考えすぎだよ」「気にならないよ」と取り合ってくれなかったことで、自分だけが抱える悩みになってしまったそうです。

 

彼としてはアドバイスをしないことで、気にすることはないと励ましたつもりでも、女性側の捉え方は全く違ったのです。

 

こういう悩みに対して、「気にならない」とだけ言うのではなく、それを共有して打ち明けてもらえることもまた大切であると

 

思うエピソードでした。

 

女性器コンプレックスは、女性の人生に暗い影をも落とします。

 

性器が黒いと言われてセックスを拒絶するようになった女性。

 

膣の緩みから破局、以来お付き合いもセックスもしなくなった女性。

 

などなど。

 

 

しかし、女性器コンプレックスは、多くの場合医学的に克服できるといいます。

 

著者によれば、整形手術、トレーニングなどが部位別・症状別にあります。

 

例えば、膣の緩みに対しては、膣縮小術など。

 

本書の最後には、こういった方法等で女性器コンプレックスを克服した女性達のエピソードが書かれています。

 

結婚して10年間、強い痛みのためにセックスできない女性。この方は、処女膜強靭症といって、処女膜が強く張っている状態

 

であるため、セックス時に強い痛みを感じてしまうという症状でした。

 

しかし、手術によって処女膜の突っ張りを切除し、痛みを解消したことで、10年間という止まっていた夫婦の時間を取り戻せたようです。

 

さらに興味深いエピソードしてこんなものがありました。

 

膣が緩いため、夫から自分(夫)以外の男とのセックスはもう無理だと言われ深く傷ついた女性の話です。

 

この女性は、夫を見返すために膣の緩みを解消する手術を受け、自信を取り戻しました。

 

痛快なのは、それでも夫とはセックスをせずに、新たな出会いに恵まれたようです。

 

彼との恋愛は非常に充実し、それにより女性としての自信も取り戻せたようです。

 

本書は、数々のエピソードを通じて女性器コンプレックスについての知識とそれを医学的に解消できるということを熱弁しています。

 

その中で最後に伝えたいこととして、「もっと自分の女性器に興味を持って欲しい」ということがありました。

 

僕は専門家ではありますが、医療の専門家ではありません。

 

この最後の言葉を聞いてとても共感しました。

 

男性器というのは、前面に暇そうにぶら下がって日々その姿を晒しています。

 

しかし、女性器はどうですか? 女性の皆さん、自分の性器見たことありますか?

 

鏡で映さない限りなかなか見たことないのではないでしょうか?

 

 

それくらい普段見ないものなのです。

 

 

セラピストは女性器を一般の男性よりも見ると思います。

 

 

しかし、女性器に接する以上、それをただ舐めたり、触って気持ちよくするのみならず、

 

 

もっともっと女性器に興味を持ち、愛おしみたいと思います。

 

 

女風を使う方の中には女性器に悩みを抱える人も少なからずいると思います。

 

 

そういう方々に性の喜びを提供するセラピストとして、僕は更なる勉強をして飛躍していこう、

 

そう思わせてくれる本でした。

 

女性器コンプレックスを抱えてる人もそうでない人もぜひ一読してみてはいかがでしょうか?

 

 

Fin.

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