【帰るべき場所】

 

 

 

先日お盆休みで実家に帰って親戚周りをしていた話なんですけどね。

 

親戚周りとは言っても運転は父がしてくれて

僕は久々の後部座席を満喫してたんですが

 

珍しくスマホも触らず

スピーカーから流れるビートルズに耳をかしながら

ボーッと外を眺めていました

 

父は丁寧な性格で運転も安全運転

カーブもゆったり

時折、更地になった敷地になにがあったか

何ができる予定なのか

新しい道ができて近道が増えた事など

豆知識を披露してくれる

 

助手席には母が祖母と電話で

いつ頃到着するのか

ご飯はどうするのかを

雑談混じりに会議している

 

別に大阪にいる時も車は運転する機会は

ほとんどないんですが

後部座席に座ってこんな景色をながめてると

なんだかんだ自分はこの人たちの子供なんだなって

 

親子はいつまでも親子なんだなと…

 

子供の頃には何気ない日常だったけど

大人になるとその日常が尊く感じ

心がホッとします

 

 

 

 

訳あって

父方の祖母と

母方の祖父は病院に入院していたのですが

 

二人とも年齢の割にしっかりしていて

特に祖父はもう90歳なんですが

面会時間中ずーーーっと喋り倒してました

 

それに二人に共通していたんですが

口々に『ありがたい』『ありがとう』『感謝やわ』って

言うんですよね

 

病院生活で気が滅入ってネガティブになっていてもおかしくないのに

 

にこやかに今の環境やお見舞いに来る親類に対しての感謝を口にするんです

 

今までの生き方とかそういうのが滲み出てるんだろうなって

俺もこんな歳の重ね方したいなと

じんわりと祖父母の精神に尊敬の念をいだきました

 

 

 

 

病院がある市街から遠ざかって

 

遠景の山々が視界を占める割合が増え

 

パワーウィンドを開けると土と草木の香りが

車内に広がり

 

青々とした稲がサラサラと心地よく

風に吹かれさながら緑の絨毯のよう

 

 

田舎だぁ…

都会にはないマイナスイオンが体を包み込む

 

それから程なくして

母方の祖母の家に到着

 

裏口から入ろうとすると

表の入り口へ案内される

 

あくまで客人としてもてなそうとしてくれてるのであろう

 

軽く腰が曲がってるせいか

心なしか前より背が低く感じたが

祖母としての威厳を保とうしている

その背中は少し可愛らしくも感じた

 

玄関をくくると

すぐに手洗いを済ませて

仏壇に手を合わせてる

 

この儀式的なルーティンも

好きなんだよなぁと

しみじみ…

 

挨拶を済ませ

久々の祖母の手作り寒天や

おはぎやカステラやら最中を頬張りながら

祖母の近況報告を耳に入れた

 

なんとなくテレビのチャンネルを甲子園にあわせて

早めの晩ご飯をいただき

 

まだ日が明るかったので

久々に家の周りを散歩することに

 

田舎なだけあり、

庭や植木も豊富で写真の撮りごたえも抜群でした

写真を撮っているといつのまにか後ろに祖母が立っていて

「おじいさんにも見せたいから庭の花をとってほしい」とのこと、

あの花がいい感じだから、

きゅうりの花が、

表のユリが…

と止まらぬ注文に振り回されながらも

久々にまともに祖母とコミュニケーションをとった気がして嬉しく感じてしまいました

 

一通り撮って満足したら

居間に戻って他愛もない会話

 

去年妹は結婚したけど、

あんたは彼女の1人や2人はいないのか

紹介してあげようかなどなど

やや耳の痛い会話も華麗にスルーしつつ

 

頃合いになったので

帰り支度を始めると

今度はお土産の嵐

お米や飲み物などこれでもかとプレゼントされ

 

こんな会話ややり取りも

あと何回できるんだろうかと

急にムネがジーンとなりながら

例の後部座席に乗り込みました

 

 

この日は日帰りのつもりで

本来なら祖母の家から僕の大阪の家までは

電車を使ったルートの方がはやく

 

車で送るよと言われて

最初はやんわり断ったのですが

シャイな父の気持ちを察して、、

いや、甘えて送ってもらうことにしました

 

 

結局ほとんど後部座席で口を開けて寝てたんですけどね

 

 

 

 

 

 

 

たまには顔だしに帰ってあげようと

父譲りのシャイさに気づいた瀬奈なのでした

 

 

 

 

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